Popis: |
HCGの生物学的検定法を検討する目的で約21日令のddマウスを用いて,マウス単位標品(MU)と国際標準品(IU)について実験した結果,次の成績が得られた。1)HCG2.0MU皮下注射による約21日令の幼若雌マウスの卵巣黄体血点形成反応について,注射時体重別で比較したところ,体重の大小によって反応陽性率に差がみられ,8.0~8.5gと9.0gで反応陽性率の高い結果を得た。2)それぞれの注射時体重別における左右卵巣の黄体血点形成反応陽性率について調べたところ,その陽性率は左右卵巣間で有意差は得られなかった。したがって,HCGの検定を行なうには,左右卵巣いずれかの片側卵巣の示す反応の観察によって,その目的を達することは可能とみられる。3)反応陽性率の高かった8.0~9.0g前後のddマウスで0.5, 1.0, 1.5, 3.0, 4.5, 6.0, 8.0IUの用量に対する反応陽性率を求めたところ,反応陽性率は一般にホルモン用量の増加にしたがって高まる傾向が得られる。1.0IU以下では反応が低く,4.5IU以上では反応曲線は横這いを示し,0.5:1.0, 4.5:6.0, 4.5:8.0,6.0:8.0IUの関係を除く他の用量間でいずれも有意差が得られた。 |