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CO2, N2を用い,濃度の異なる混合ガス置換包装によるマイワシフィレー(鮮魚)の貯蔵中および開封後の化学成分と微生物相の変化について検討し,次の結果を得た.(1) 官能検査において味が最も早く鮮魚としての限界に達した.これはマイワシの脂質の酸敗が原因であると思われる.また,これら官能評価の結果よりマイワシフィレーのシェルフライフは,対照区で1~1.5日,ガス置換区で4日であった.(2) K値,VBNおよびpHでは,対照区,ガス置換区,開封区ともに大きな差異は認められなかった.(3) TMAは貯蔵4日目以降において対照区とガス置換区に顕著な差が認められた.また開封区においても対照区と同様の傾向がみられた.(4) 生菌数は好気性菌・嫌気性菌ともCO2による静菌効果があった.また開封区試料では対照区と類似した結果となった.(5) 細菌フローラは,対照区ではPseudomonas (80%), Vibrio (20%)が優勢であったのに対し,ガス置換区ではAeromonas (70~95%)がその多数を占めていた.また開封区ではPseudomonas (85%), Aeromonas (10%)が優勢であった. |