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メタン酸化カップリング反応触媒であるLi/MgOに対する第3成分の添加効果を調べるため, リンを添加したLi/Mg/xP (原子比1:1:x) の活性と表面の物理化学的性質について検討した。触媒の性能はリンの添加量によって変化した。リンをリチウムに対して原子比で0.3添加 (Li/Mg/0.3P) すると活性は最大値を示し, 一方, C2+選択率はx=0.1 (Li/Mg/0.1P) のところで最大値を示した。1,023KにおけるLi/Mg/0.3P触媒の性能は, メタン転化率39%, C2+選択率50%であり, C2+収率は約20%であった。リンの添加量の異なる触媒についてX線回折 (XRD), BET比表面積, CO2昇温脱離スペクトル (TPD) 測定のほか, 赤外線吸収分析 (FTIR), X線光電子分光分析 (XPS) などを行い, 触媒の物理化学的性質について検討した。その結果, Li/MgOにリンを添加することによって触媒中のリチウム塩の形態がLi2CO3からLi3PO4へ変化し, それにともなって塩基性点が量的に変化することがわかった。P/Li原子比x=0.5の時はリチウム塩の形態はほとんどLi3PO4となるため, 塩基性点がなくなって活性が低下することがわかった。x=0.3の時に活性が最大値を示したのは, Li2CO3とLi3PO4の混在により触媒表面上の酸-塩基性点が適度にバランスし, 最良の状態がつくられたためと推論した。 |