Evaluation on The Improvement of Ocular Movement Disorders Treated by Orthoptic Training Based on Physical Equilibrium Function Tests in Persons of Middle or Advanced Age

Autor: Tetsuko Namba
Rok vydání: 2002
Předmět:
Zdroj: JAPANESE ORTHOPTIC JOURNAL. 31:57-65
ISSN: 1883-9215
0387-5172
DOI: 10.4263/jorthoptic.31.57
Popis: 中高年齢者では眼球運動障害の発生に伴う視機能のトラブルが多く、その中でも融像障害は視能訓練の対象となる。眼球運動障害の中でも後天性上斜筋麻痺は、視能訓練が奏効して自覚的改善が得られる例が多いが、治療効果の評価には自覚的および客観的評価を組み合わせて行う必要があると考えられる。そこで定量的検査が可能な身体平衡機能測定装置Balance Masterを用いて治療前・後で静的および動的身体平衡機能の分析を行い、視能訓練等による視機能の改善と身体平衡機能との相関について検討した。視能訓練は輻湊訓練、衝動性眼球運動訓練、融像分離結合訓練、融像幅増強訓練、融像側方移動訓練を行った。静的身体平衡機能検査では、重心位置偏位置を測定したところ、中高年齢者の開瞼時、閉瞼時で治療前に比較して治療後は有意な改善がみられた。動的身体平衡機能検査の時計回り8方向の重心移動では、中高年齢者で治療後に特に後方への重心位置偏位量が改善し、移動距離の短縮が認められた。これらの改善は、低下した外眼筋自己受容器の活動性が促進され、眼球運動と身体平衡機能に影響を与えたためであると推察した。また、Balance Masterを用いた動的身体平衡機能訓練は、両眼視機能障害による自覚症状の改善のための訓練に応用可能であると考えられる。眼球運動障害による身体平衡機能の低下は、加齢に伴う身体平衡機能の低下と同様、高齢社会におけるQOLを考慮する上で重要である。
Databáze: OpenAIRE