Hemodialysis of an HIV antibody-positive patient

Autor: Nobuo Akiyama, Kazuomi Kadowaki, Shinichi Oka, Setsuo Edakuni, Toshikazu Imai, Kunji Mita, Yoshihumi Bekku, Yoshio Ogawa, Shinji Tomikawa, Shigeo Mori, Hisayuki Sugimoto
Rok vydání: 1989
Předmět:
Zdroj: Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy. 22:195-200
ISSN: 1884-6211
0911-5889
Popis: HIV抗体陽性患者の血液透析を経験した報告は本邦ではいまだなく, その具体的透析方法については検討がなされていないのが実情と思われる.患者は貧血, 手術のため大量の洗滌赤血球および全血輸血を受けた46歳の女性である. 輸血の時期はHIV抗体のチェックが開始される以前であり, 感染経路は輸血と考えられる. 当院へ転院後外来血液透析を受けていたが, 下痢, 発熱などの症状に続いて口腔カンジダ症が発症し抗真菌剤の投与により一旦軽快した. しかし, その後高熱, 意識障害, 間代性痙攣が出現して原因不明のまま死亡した. 病理解剖の結果P24陽性細胞は証明されなかったが髄液よりHIV抗原が証明された.透析法として透析室の一部をカーテンで仕切り, 専用の個人用透析装置を使用して隔離透析を行った. 穿刺時と終了時にはガウンテクニックを用いた. 最も頻度の高い危険な事故は汚染された注射針による手指の刺創であると考えられたため, 穿刺に使用した金属性内針は穿刺直後に自らポリエチレンビンに入れて蓋をし, また, 透析中には注射針を用いず透析回路の側注ラインより採血, 注射した. 透析中に使用したディスポーザブル製品は高圧滅菌後に廃棄し, 透析装置, 床などは次亜塩素酸ソーダ, アルコールで消毒した.過去にHIV抗体のチェックがなされていない血液, 血液製剤の輸血を受けた透析患者が多く存在すること, 透析は観血的治療法であること, HIV感染に対して現在のところワクチン等の予防法, 根治的療法がないこと等の理由により, スタッフへの感染の危険性を考慮すると透析患者のHIV抗体のチェックを実施する事を希望する. 患者はAIDSへと進行し短時日で死亡したが, HIV抗体陽性患者の具体的透析法, 院内各部門のマニュアルの作製に貴重な経験と教訓を残した.
Databáze: OpenAIRE