Basal cell adenocarcinoma of the parotid gland. A case report

Autor: Shigeru Munakata, Toshitaka Nagao, Yasuo Ishida, Masao Asai, Akira Asou, Koichi Nagao, Isamu Sugano, Yoshinori Koyama
Rok vydání: 2000
Předmět:
Zdroj: The Journal of the Japanese Society of Clinical Cytology. 39:263-269
ISSN: 1882-7233
0387-1193
DOI: 10.5795/jjscc.39.263
Popis: 背景: 唾液腺原発の基底細胞腺癌はWHO分類第2版 (1991) に新たに追加された新しい概念のまれな低悪性度腫瘍である.今回われわれは, 右耳下腺に発生した基底細胞腺癌の1例を経験したのでその細胞像, 組織像, 電顕像ならびに免疫組織化学的所見について報告する.症例: 68歳の女性で右耳下腺腫瘍にて当院耳鼻科を紹介された.CT上, 腫瘍は24×14mm大で一部周囲で境界が不明瞭であった.穿刺吸引細胞診にて細胞は上皮様結合を示した大型の細胞集塊を形成しており一部では脂肪細胞に絡まるように出現していた.腫瘍細胞の集塊辺縁部にはpalisading状の配列を示し, 集塊からのほつれ像もみられた.腫瘍細胞は小型卵円形N/C比の高い細胞で核クロマチンの増量を認めた.組織学的には, 基底細胞様の配列を示す腫瘍細胞が充実胞巣状に浸潤性増殖を示していた.免疫組織化学的に腫瘍は上皮, 筋上皮双方へ分化を示す細胞から成っていた.また, Ki-67の陽性細胞率が比較的高い数値を示し, p53とEGFRに陽性であった.結論: 基底細胞腺癌は鑑別を要する疾患も多く, 特に細胞所見のみでは良悪性の鑑別が困難なことがまれではないが細胞学的には本症例でみられた基底細胞型腫瘍細胞の脂肪細胞に絡まるようにして出現する集塊は基底細胞腺癌に特徴的であり, 本腫瘍の穿刺吸引細胞診での病変推定に重要な所見と考えられた.
Databáze: OpenAIRE