Studies on Analysis of Metallic Nickel. VVI

Autor: Shigeru Yokosuka
Rok vydání: 1956
Předmět:
Zdroj: BUNSEKI KAGAKU. 5:71-77
ISSN: 0525-1931
DOI: 10.2116/bunsekikagaku.5.71
Popis: アンモニア性電解における異常析出の要因について検討するため,電流密度2amp/dm2,1amp/dm2,0.2amp/dm2および0.1amp/dm2の各場合について電解温度,電解時間を種々に変えて実験し,電流密度,電解温度,電解時間などと異常析出の関係について詳細に検討をおこない,高温電解においては,電流密度および試料量の差異により程度の差はあるが,いずれも白金の共析にもとづく異常析出を生じ,この白金析出量は電解残液中のニッケルイオンの量と関係があり,また析出量増加の割合は電流密度と関係を有することを示した.低温電解では電流密度0.1amp/dm2の場合を除いてはいずれも水素ガスなどの吸蔵にもとづく異常超過析出を生じており,この量が電流密度および試料量と密接な関係をもっていることを示した.またこれらの結果から異常超過析出を避けてニッケルの電解定量を行うに適当な電解条件を示した.(1)以上に電流密度2amp/dm2,1amp/dm2,0.2amp/dm2,0.1amp/dm2の各場合について電解温度および試料量を種々に変えて実験を行い,これらの電解条件と異常析出の関係について検討した結果を述べた.(2)高温電解の場合は電流密度および試料量の差異により,程度の差はあるがいずれもPtの共析にもとづく異常析出を生じており(ただし水素ガスなどの吸蔵にもとづく異常析出はおこっていない),このPtの析出は電解液中のNiイオンが0.1mg以下となってから急激に増加し,電流密度2amp/dm2の場合はその増加の割合は0.1mg/20minであり0.2amp/dm2の場合は0.1mg/180minであった.この場合いずれも残Ni量が0.05mg以下になったときはすでにPtが析出しておりおのおのの場合に記述した理由により高品位ニッケルの電解定量法としては採用することができない.(3)低温電解の場合は電流密度0.1amp/dm2の場合を除いてはいずれも水素ガスなどの吸蔵にもとづく異常析出を生じている.Niが完全に析出した際(残Ni量が0.05mg以下となったとき)のその量は電流密度0.2amp/dm2,試料2gのとき約0.5mgであり,試料1gのときは約0.25mg,また電流密度2amp/dm2試料2gの場合は約4.8mgである.この結果からある範囲内における水素ガスなどの吸蔵にもとづく超過析出量は電流密度と試料量に比例しているようである.(4)以上の電解条件と超過析出の関係を要約すればTab.3のとおりで,これらの超過析出を避けてニッケルを電解定量する条件としては,試料1g電流密度0.1amp/dm2,電解温度20~30℃,電解時間20~24時間がもっとも望ましいことがわかる.電流密度0.2amp/dm2,試料1gの場合は電解温度を30~40℃とする必要があり,不便でまた電流密度0.2amp/dm2試料0.5gの場合は試料量過少にもとづく誤差の過大から実用性が乏しい.前報に規定したニッケルの電解条件下における共存元素の動向を検討するため,銅,鉛,ビスマス,アンチモン,ヒ素,スズ,カドミウム,鉄,アルミニウム,クロム,マンガン,亜鉛およびマグネシウムの種々量をニッケルと共存させて電解を行い,共存量と電着状態を調べた.またこの結果,電解結果に影響をあたえることが明らかとなった元素に対してはその影響の除去策を講じ,第2族元素の一括分離法,鉄,マンガンなどの一括分離法ならびにその際のニッケルの損失などについて調べた.これらの結果と前報の結果を綜合して高品位ニッケルの純分の定量方法をニッケル+コバルト99.95%以上の試料の場合と,99.94%以下の試料の場合の二つにわけて示した.各種ニッケル地金試料20コの純分を定量した結果,前者の定量値の標準偏差は0.005%で後者のそれは0.01%であった.(1)Niの電解条件下における共存元素の動向を調べた.すなわちCu,Pb,Bi,Sb,As,Sn,Cd,Fe,Al,Cr,Mn,ZnおよびMgについて共存量と電着状態を示した.(2)Niの電解結果に影響をあたえる共存元素の除去法を検討し,第2族元素の一括分離法,Fe,Mnなどの一括分離法ならびにその際のNiの損失などについて調べた.(3)定量方法をNi+Co99.95%以上の試料の場合と99.94%以下の試料の場合の二つについて述べ各方法による定量結果を示した.(4)各種ニッケル地金20コにつきその純分を定量した結果,前者の定量値の標準偏差は0.005%で後者のそれは0.01%であった.
Databáze: OpenAIRE