The increase of plasma free fatty acids during a single hemodialysis with heparin and its hazardous effects on the blood components in vitro

Autor: Yoshihei Hirasawa, Sachio Takahashi, Kyuya Imai, Fumio Ogata
Rok vydání: 1984
Předmět:
Zdroj: Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy. 17:353-357
ISSN: 1884-6203
0288-7045
DOI: 10.4009/jsdt1968.17.353
Popis: 高濃度の遊離脂肪酸 (FFA) は生体にとって有害であるといわれている. ヘパリンを使用する透析 (ヘパリン化透析) は, ヘパリンのリポ蛋白リパーゼ (LPL) 活性化作用により血中中性脂肪 (TG) の加水分解が亢進されFFAの異常増加を伴う. 今回の実験目的は透析により増加した血清FFAの毒性 (hazardous) 効果を確認し, その対策を検討することにある.ヘパリン化透析の透析後血清は健常人赤血球浸透圧抵抗性を低下し, PHAによるリンパ球幼若化反応を抑制する. これらの効果は血清中のFFA濃度と相関する. また, FFA濃度の高い血清のリポ蛋白に電気泳動性の変化が認められる. 赤血球, リンパ球およびリポ蛋白に影響を及ぼすFFA濃度はそれぞれ1.0, 1.2および1.7mEq/l以上である. したがって, 透析後血清の毒性を示す限界FFA濃度は約1mEq/lと考えられる. 一部の患者は透析開始直後と終了時にこの危険値を越えることから, ヘパリン化透析に伴う高FFA血の患者に対する有害効果が懸念される.ヘパリン化透析終了時血清FFA値はTG値と正相関することから, TGのコントロールは透析に伴う高FFA血の防止に寄与する. 人工合成蛋白分解酵素阻害剤 (MD-805, FUT-175) はLPL活性化作用を有しないため, これを抗凝固剤として使用する透析ではFFAの危険濃度に達する増加は認められない. また, ヘパリンを減量した透析においてもFFAの上昇に一部改善が認められる. 血液透析時の血清FFA値は患者のもつ要因と透析方法により大きく変動することから, 臨床所見および血清検査値の解釈においてはこの物質の関与を熟知しなければならない.
Databáze: OpenAIRE