本邦で院内救急体制(RRS)を普及する際の障壁とその解決策(The implementation of rapid response system in Japanese hospitals: its obstacles and possible solutions)

Autor: 藤谷 茂樹 (Shigeki Fujitani), 下澤 信彦 (Nobuhiko Shimozawa), 小池 朋孝 (Tomotaka Koike), 藤原 紳祐 (Shinsuke Fujiwara), 森安 恵実 (Megumi Moriyasu)
Rok vydání: 2017
Zdroj: Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine. 28:219-229
ISSN: 1883-3772
DOI: 10.1002/jja2.12210
Popis: 要旨 【目的】本邦でRRS(rapid response system)を導入するには様々な障壁がある。RRS普及を目的とした医療安全講習会で受講者にアンケートを実施し,この障壁を明らかにする。【対象】アンケートでCode blueとRRSの認知度,予期せぬ死亡の経験,心停止前に対応するチームの必要性,RRS導入の障壁となるコンポーネント(構成要素),具体的問題を問い,回答(回収1,391,有効回答1,242)を集計した。【結果】Code blueに対しRRSの認知度は低く,とくに医師・看護師以外で低かった。予期せぬ死亡は86.2%が経験しており,心停止前に対応するチームの必要性は91.6%が感じていたが,うち86.2%は導入に障壁を感じていた。障壁と考えるコンポーネントは患者の状態悪化を発見する要素が67.0%,急変対応チームの要素が49.8%と多く,具体的問題では急変対応チーム医師不足62.6%,同看護師不足59.7%,RRSを主導する医師・管理部門サポート不足46.5%,システム教育プログラム不備39.6%,主治医協力不足34.1%であった。【結語】医師・看護師のマンパワー不足,教育システムの不備を障壁と考える医療従事者が多かった。人員不足の改善,RRS起動・急変対応チーム活動を教育するシステムの整備がRRS導入に必要と考えられた。
Databáze: OpenAIRE