Health Care System in the 21st Century and the Role of the Anesthesiologist. Part I. The Crisis in the Japanese System with Lack of a Comprehensive Reform Plan

Autor: Akito Ohmura
Rok vydání: 2000
Předmět:
Zdroj: THE JOURNAL OF JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA. 20:201-208
ISSN: 1349-9149
0285-4945
DOI: 10.2199/jjsca.20.201
Popis: 20世紀後半に起こった人口の急速な高齢化に伴う医療費の高騰で,健康保険財政が急速に悪化し,国民皆保険制度が今,破綻の危機に瀕している.国が進めてきたさまざまな医療費抑制政策もこの傾向を大きく変えることはできず,健康保険制度の抜本改革の必要性が叫ばれ,2000年の抜本改革を目指して医療保険福祉審議会,中央社会保険医療協議会等の場で審議が続けられている.しかし,関連組織団体間の合意がなかなか得られず,このまま進めばタイムリミットを超えて制度崩壊が進む可能性も出てきている.しかし,制度の仕組み,問題点が複雑なこと,複数の改革案が出ていること,外に出てくる情報も各団体,組織に都合のよい断片的なものが多いこと等から,医療従事者でさえ全体像がつかみにくい.一方,医療の先進国であるはずのアメリカも同様の深刻な問題が生じており,急速に増加する老人医療費に対する公的保険の抜本改革案に加えて,多くの民間医療保険がさまざまな問題点を指摘されるなかで,次々と改良を加えて急成長するなど壮大な社会実験が進行中である.この実験は世界の注目を集めており,先のみえない日本の医療制度の方向を探るうえで大いに参考になる可能性がある.医療制度の変貌とともに,われわれ麻酔科医を取り巻く環境も急速に厳しくなっていくのは確実である.しかし,この変化のなかで,日本麻酔学会及び個々の麻酔科医の役割も新しい可能性を秘めながら変化していくことが予想され,このような動きに注目し,理解を深める必要がある.
Databáze: OpenAIRE