Autor: |
磯谷 栄二 (Eiji Isotani), 須賀 弘泰 (Hiroyasu Suga) |
Rok vydání: |
2016 |
Zdroj: |
Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine. 27:114-119 |
ISSN: |
1883-3772 |
DOI: |
10.1002/jja2.12103 |
Popis: |
要旨 自己転倒で発症した外傷性横隔膜破裂を経験したので報告する。症例は93歳,女性。老人施設に入所中。2013年9月に発熱,呼吸苦を主訴に救急搬送された。胸部CTで左胸腔内に胃,小腸を認め,左下葉が圧排され無気肺を呈しており,横隔膜破裂と診断した。1週間ほど前に施設内で自己転倒し胸部を打撲,近医受診し胸骨骨折の疑いと診断されたという。外傷性横隔膜破裂の唯一の治療法は手術である。横隔膜の修復術は容易でありながら放置すると増悪し致死的であるため,全症例で緊急手術の適応となる。上腹部正中切開で開腹すると左横隔膜の腱中心に前後に約7cm長の破裂部位を認め,胃,大網の一部,大腸が胸腔内に脱出していたため,直視下にヘルニア門を縫合閉鎖し手術を終了した。横隔膜破裂の症状としては胸痛,呼吸困難,腹痛などを訴えることが多い。しかし本症例は認知症を有する超高齢者であり病歴聴取が困難で,強い円背により理学的所見も不明瞭だったため受傷時の確定診断が困難だったと考えられる。外傷性横隔膜破裂は交通事故や転落事故が原因で多発外傷の形態をとることが多いが,本症例では施設内転倒以外は目立った外傷の既往がなく,その他の合併損傷も認めなかった。小柄な超高齢者であるために横隔膜の組織が脆弱で転倒程度の外力で損傷したものと思われた。 |
Databáze: |
OpenAIRE |
Externí odkaz: |
|