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検出器{示差屈折計(RI)と紫外吸収検出器(UV)}と移動相{テトラヒドロフラン(THF)とクロロホルム}の種類の相違が平均分子量測定値にどのように影響を及ぼすかを検討した.検出器の問題については第1回及び第2回ラウンドロビンテストにおけるポリスチレン(PS)試料の平均分子量測定値を基に考察した.重量平均分子量MwはRIとUVで得られた値に差は認められなかったが,数平均分子量MnではUVで得られた値はRIで得られた値の74~88%であることが分かった.又,平均分子量の低いPS試料ほど,低下率も大きいことが分かった.RIとUVで得られた分子量分布を比較すると,低分子量領域でUVによる分子量分布が大きくなっており,このことがUVで得られたMnがRIで得られたMnより小さくなっている理由と考えられる.この原因として,セル構造などによるピーク広がりの問題や検出器応答係数の分子量依存性の程度の相違は否定でき,測定試料の末端構造がUVにおける応答係数の増大になんらかの影響を及ぼしているものと推定した.従って測定値,特にMnを相互比較する場合には検出器をRI又はUVいずれかに統一することが必要である.ポリメタクリル酸メチル(PMMA)試料において,クロロホルム移動相によって得られた平均分子量はMn,MwともにTHF移動相の場合より5~25%程度大きい値になっている.PS標準試料による較正曲線を用いてPMMAのような異種ポリマーの平均分子量を計算する場合,移動相の相違によって平均分子量が異なるので注意が必要である.PS標準試料による較正曲線を用いてPS試料の平均分子量を測定する場合には移動相の差は認められなかった. |