A case of brain-stem infarction predicted on the basis of neurological findings of eye movement disorder

Autor: Yasuhiro Nagashima, Kazuhiro Muramatsu, Tsukasa Kudeken, Masanari Kunimoto, Michiyuki Maruyama
Rok vydání: 2010
Předmět:
Zdroj: Nosotchu. 32:60-63
ISSN: 1883-1923
0912-0726
DOI: 10.3995/jstroke.32.60
Popis: 眼球運動障害の所見から虚血範囲を経時的に評価し得た脳幹梗塞について報告する.症例は67歳男性,2007年5月某日に左側方注視麻痺を自覚し来院した.左側方注視麻痺および右上下肢の異常感覚,右第5指徴候を認めたものの,頭部MRIでは異常所見はなかった.症状はその後改善したが,臨床的に脳幹梗塞または痙攣発作が疑われたため入院した.第1病日夜間に両側方注視麻痺と,四肢麻痺が出現した.この時の頭部MRI拡散強調画像(diffusion-weighted image:DWI)で両側延髄上部腹側から正中背側に達する梗塞を認めた.第2病日に四肢麻痺は改善した.その後,両側MLF症候群,さらに左MLF症候群を経て第11病日には眼球運動障害も消失した.第23病日の頭部MRI T2強調画像では病巣は橋下部被蓋部に達していた.急性期脳幹梗塞はDWIでも陽性所見の出現が遅れることが多いが,本例の虚血病変が橋被蓋に存在したことは入院時および入院後の眼球運動障害により推測し得た.脳幹には眼球運動を司る神経線維や神経核が密に存在し,脳幹梗塞を疑う患者において眼球運動の詳細な観察は,虚血巣の進行をMRIよりも経時的に評価しうると考えられた.
Databáze: OpenAIRE