A case with cirrhosis who showed a low portal vascular resistance - A case of Budd-Chiari syndrome accompanied by hepatic cell carcinoma

Autor: Nobuyuki Ban, Nakamura T, Haruto Uchino, Masahiko Sakai, Kaoru Kumada, Fuminori Moriyasu, Takeo Miyake, Keiichiro Mori, Kensuke Miura, Osamu Nishida
Rok vydání: 1985
Předmět:
Zdroj: Kanzo. 26:784-789
ISSN: 1881-3593
0451-4203
DOI: 10.2957/kanzo.26.784
Popis: 肝硬変においては,門脈・肝静脈圧圧較差が増大し,門脈血管抵抗は上昇する.57の男性で肝硬変があるにもかかわらず門脈血管抵抗が低く,門脈圧亢進症の血行動態を考える上で示唆に富む症例を経験した.主訴はタール便で,2年前より,肝硬変,静脈瘤,そして肝癌の診断で加療を受けていた.肝臓カテーテルでは,門脈圧21mmHg,肝静脈圧17mmHg,下大静脈圧19mmHgで,肝癌によるBudd-Chiari症候群により肝静脈・下大静脈の圧の上昇をみた.リニアドップラー法による門脈血流量は,633ml/minであり,計算上,門脈血管抵抗は低値であった.手術時の肝生検像では,肝硬変と肝静脈,肝内門脈の拡張がみられた.肝硬変にともなう血管抵抗の上昇は,肝静脈を中心とした血管の閉塞・狭窄によるが,本例では,肝静脈圧上昇があったため,肝静脈の閉塞・狭窄が生じなかったか,あるいは,矯正され,そのため門脈・肝静脈間の血管抵抗が低値であったものと想像された.
Databáze: OpenAIRE