Epidemiological Analysis on the Stroke Risk Factors in the Rural Japanese

Autor: Chigusa Date, Yutaka Ueda, Kunio Owada, Terumi Baba, Heizo Tanaka
Rok vydání: 1976
Předmět:
Zdroj: Nippon Ronen Igakkai Zasshi. Japanese Journal of Geriatrics. 13:98-107
ISSN: 0300-9173
DOI: 10.3143/geriatrics.13.98
Popis: 農山村である高知県T町と大阪府C村において循環器疾患の管理を実施した. 管理後4年の観察期間に新しく発作をおこしたもので, 発作前の集団検診成績が完備しており, かつ脳卒中の病型別診断の比較的明確なものは, 両地区あわせて, 脳出血34例, 脳硬塞48例であった. これら脳出血および脳硬塞の case の1例1例について, 町村, 性, 年齢, 職業を match させた control を, 母集団から at random に選び, case-control study with matching を用いて, 17項目の発生要因について検討した.脳出血の relative risk は, 収縮期血圧5.00, 拡張期血圧4.60, ECG: high R3.40, 眼底: 高血圧性変化3.20の順で, 推計学的に有意の差を認めた.脳硬塞の relative risk は, 自覚症状 (脳) 3.33, 収縮期血圧2.88, 拡張期血圧2.50の順で, 推計学的に有意の差を認めた.脳卒中の発生には, 種々の要因が複雑にからみあっているものと考えられる. いくつかの要因が同時に, あるいは交互に作用をおよぼしあいながら, 脳卒中の発生に関与しているものと考えられる. このような場合, 多変量解析法が有用であるので, 要因間の交互作用や縮合的関連度を踏えて, case と control の判別に与える要因の影響の大小を, 判別関数を応用して検討した.脳出血では, 収縮期血圧が抜群の第1位で, 以下, ECG: ST-T変化, 拡張期血圧, 眼底: 動脈硬化性変化, 血清総コレステロール, 眼底: 高血圧性変化, ECG: high R, 家族歴の順にランクされた. ここで注目すべきことは, 血清総コレステロールは, 脳出血の発生を抑制するように作用することが示された.脳硬塞では, 収縮期血圧, 眼底: 動脈硬化性変化, 眼底: 高血圧性変化, 自覚症状 (脳) の順にランクされた.case-control study with matching と多変量解析法とによる分析結果を総括して考察すると, わが国の農山村地域においては, 脳出血のみならず脳硬塞の発生にも高血圧が最有力因子であり, 欧米諸国で強調されている高脂質血症や肥満は, 現時点では risk factor とならないことが示唆された. したがって, わが国の農山村地域における循環器疾患の管理は, 高血圧対策を第一義的にとりあげるべきであると考える.脳硬塞の発生要因として, 自覚症状 (脳) が両分析法において, 上位を占めたことは興味ある知見である. 循環器疾患集団検診において, 脳硬塞の予知を踏えたT.I.A.に関する問診を詳細に実施すべきであると考える.
Databáze: OpenAIRE