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食品中に含まれる脂溶性のビタミンEであるトコフェロール(Tocopherol : Toc)の分析は,溶離液にヘキサンなどを使用する順相系の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が用いられる.そこで,分析対象物質の各Toc(α, β, γ, δ)についてトリアコンチル基結合型シリカ固定相(C30)を用いて,メタノールと水を溶離液とした逆相系の分離条件により,溶離液を混合させる方法の違いによる定量への影響やその再現性について検討を行った.これらの各Tocはメタノール/水をあらかじめポンプで送液する前に98/2で混合し,さらに脱気することにより良好に分離し,分析の所要時間はベースラインの安定時間を含めて約20分であった.このときの定量波長は295 nm,カラム温度は30℃,注入量は20 μLとし,分析対象物質における共通の検量線の直線範囲は10~100 mg L−1で10 mg L−1を3回分析したときの相対標準偏差(RSD)は0.69~0.98% であった.大豆油を用いた添加回収試験では,各Tocにおいて回収率が91.7~98.6%,RSDが2.8~4.8% とそれぞれ優れた回収率とRSDが得られた. |