Experiencing stone tool making at Iwajuku Museum

Autor: Masao Kosuge
Rok vydání: 2011
Předmět:
Zdroj: The Quaternary Research (Daiyonki-Kenkyu). 50:243-251
ISSN: 1881-8129
0418-2642
DOI: 10.4116/jaqua.50.243
Popis: 体験学習は,知識の習得とともに学習の「動機づけ」,あるいは学習意欲の増進という意味で,実証的な科学分野においては大変有効な教育手段である.これまで岩宿博物館が実施してきた石器作りの体験学習もそのひとつであり,「導入」,「実演」,「体験製作」,「片付け」という段階を経て実施されている.人文科学分野の体験学習では,実験・実証過程にあたる客観的な研究方法の体験だけではなく,研究対象である石器を作るというような主体的・直接的な体験をすることができる.特に,過去の「モノ」である遺物を扱う考古学をテーマとした内容は,体験学習の題材となりやすい.その意味では,実資料という「モノ」を扱う博物館も同様である.より充実した教育活動を展開するためには,博物館学芸員は,体験学習を取り入れた教育の実践方法とともに,体験学習がもつ意義と課題にも目を向けるべきである.体験学習の意義と課題を見据える視点から,教育活動の中で体験学習をどのように位置づけるかという問題と,考古学研究の深化や博物館教育活動全体の発展も視野に入れた体験学習事業の構想とが必要となると考えられる.
Databáze: OpenAIRE