Study on the immune response in chronic renal failure patients

Autor: Hidetaka Yoshihara
Rok vydání: 1986
Předmět:
Zdroj: Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy. 19:1043-1054
ISSN: 1884-6211
0911-5889
Popis: 免疫系のaccessory cellから産生されるinterleukin-1 (IL-1) の産生能を指標として長期透析患者の免疫系の動態を検討した. さらにcuprophan膜透析器からLimulus test陽性物質が検出されたので, polymethylmethacrylate (PMMA) 膜透析器を用いる血液透析および持続的腹膜灌流 (CAPD) と比較し, 透析膜や血液浄化法の差によってIL-1産生能に異同があるか否かをも検討した.41例の血液透析患者, 5例のCAPD患者, 43例の健常対照者の末梢血から単球を分離し, その細胞浮遊液に大腸菌由来のLipopolysaccharideを加えて48時間培養した. 培養後, 培養上清を分離してC3H/HeJマウスから調整した胸腺細胞に加え, 培養終了24時間前に [3H] thymidineを加えた. 単球のIL-1産生能は [3H] thymidineの酸不溶性分画へのとりこみで測定した.結果は, 1) 健常対照群, 血液透析群およびCAPD群について末梢血単球のIL-1産生能を比較すると, cuprophan膜を用いた血液透析群のみが有意に高値を示した. 2) Limulus test陽性を示すcuprophan膜洗浄液を単球浮遊液に加えると, IL-1産生のよ昇がみられたが, PMMA膜洗浄液添加によってIL-1産生は増減されなかった. 3) 非働化した健常人血清と血液透析患者血清をそれぞれ健常人末梢血単球に加えると, 前者のIL-1産生は後者よりも有意に高値を示した.一般に腎不全患者の単球におけるIL-1産生能は低下することが示唆されていたが, 以上の成績からcuprophan膜を用いる長期血液透析患者では逆にIL-1産生能が増強することが推測された. このIL-1産生能の増強には, cuprophan膜由来のLimulus test陽性物質が単球に一定の影響を与えていることが考えられた.
Databáze: OpenAIRE