テレビドラマの怒りのシーンから見る怒りの感情の表現-モダリティを中心に-

Autor: Li-Chiou Chen, 陳麗秋
Rok vydání: 2012
Druh dokumentu: 學位論文 ; thesis
Popis: 101
日本語学習者は日常生活において日本語母語話者と喧嘩する場合に、怒りを伝えようとしてもなかなか言葉にできない経験が少なくないと思う。怒りを伝えるための言葉を捜すために、本研究は日常生活に近いテレビドラマを観察対象として選択し、様々な感情を表現するシーンから、「怒り」という感情表現のシーンをはじめに観察する。ドラマの類型が多いので、とりあえず4種類で5部のテレビドラマを取り上げた。2007年の「プロポーズ大作戦」「ホタルノヒカリ」は恋愛ドラマで、2009年の「白い春」はヒューマンドラマで、2008年の「小児救命」は医療ドラマで、2006年の「マイボース・マイヒーロー」は学園ドラマだ。これらのドラマから選んだ42個の「怒り」のシーンのなかで話し手が腹が立ったとき、どんな言葉で怒りの気持ちを伝えるのかを観察し、その言葉を『現代日本語文法4』でのモダリティを基準にして言語分析する。 その結果、「怒り」の言葉は『現代日本語文法4』によって叙述のモダリティ、疑問のモダリティ、意志のモダリティ、行為要求のモダリティ、感嘆のモダリティ、評価のモダリティ、認識のモダリティ、説明のモダリティ、伝達態度のモダリティの9種類に分けられた。 そして、怒りのシーンに使用される叙述のモダリティが「表出的な文」だ。怒りのシーンに使用される疑問のモダリティが真偽疑問文、補充疑問文に「か」を付加されることや付加されないことと「のか」疑問文と確認要求的疑問文での「ではないか」だ。怒りのシーンに使用される意志のモダリティが「肯定の意志のモダリティ」と「否定の意志のモダリティ」だ。怒りのシーンに使用される行為要求のモダリティが「命令形」と依賴文-「てくれ」「てください」と「禁止形」だ。怒りのシーンに使用される感嘆のモダリティが「修飾表現﹝實質名詞﹞!」と「なんて」だ。怒りのシーンに使用される評価のモダリティが「ばいい」と「なくていい」だ。怒りのシーンに使用される認識のモダリティが「斷定形」と「だろう」と「って」と「だと」だ。怒りのシーンに使用される説明のモダリティが「のだ」と「たいものだ」だ。怒りのシーンに使用される伝達態度のモダリティが「よ」と「ぞ」と「さ」と「ね」(「ねえ」)と「な」と「もの」(「もん」)だ。 しかし、《現代日本語文法4》でのモダリティの枠に含まない文がある。それは「Vつもりですか」、「非難や皮肉を表す文+『よ↓』」、「わよ」、「な」の「間投用法」、「このNが」、「N!/interj!/N+niterj!」、「Vて」、省略の用法、「…であっても…だ/んだ」、「同一の動詞の応答」だ。
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