Jazyk: |
japonština |
Rok vydání: |
2014 |
Předmět: |
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Popis: |
プラスチック製点眼容器においては、水蒸気の透過や薬物の容器壁面への吸着が問題になることがある。既存のポリマーを単体で使用するだけでは、これらの問題点を解決するのは困難である。そこで、水蒸気の非透過性、つまり水分バリア性が高いが、薬物の非吸着性が低いPPと、薬物の非吸着性に優れているが水分バリア性が低いPETの複合化について検討した。また現状では、点眼容器の使いやすさの指標としてスクイズ力の測定方法に問題があると考えられているため、筋電図計を用いて測定・数値化する検討も行った。第1章では、点眼容器の成り立ちを述べるとともに、現代における点眼容器の法規制について説明した上で、問題点とその背景を述べた。第2章では、スキン層がPET、コア層がPPのサンドイッチ成形を検討した結果、薬物であるℓ-メントール非吸着性に対する効果は大きいものの、水分バリア性に対する効果が小さいことを明らかにした。第3章ではPET/PPポリマーブレンドを検討した。いずれの混合比率においても水分バリア性は大きく向上した。これは、PETがマトリックスを支配する非相溶のモルフォロジーを呈するPETリッチの混合比においても、PPが細長い層状を形成することにより迷路効果を発揮できたためであると考えられる。ℓ-メントール非吸着性は、PETがマトリックスを支配するモルフォロジーを呈した、PET 70%以上の混合比率であれば、期待値以上の非吸着性を確保することができた。ℓ-メントール非吸着性と水分バリア性の両立という面では、PET:PP=7:3が点眼容器に適していた。一方で、PET/PPブレンド材は機械特性が著しく低下することがわかった。さほど大きな耐荷重を必要としない点眼容器といえども、PET:PP=7:3およびPET:PP=5:5のブレンド材ではその荷重にすら耐えられないことがわかった。第4章では、PET/PPブレンド系に相溶化剤を添加することを検討した。相溶化剤を添加することにより、PET/PPが均一に微分散したモルフォロジーを呈したことによって、機械特性が向上し、点眼容器としての耐荷重を確保できることがわかった。一方でPET/PPが均一に微分散することによって、水分バリア性および、ℓ-メントール非吸着性については、相溶化剤を添加していない系よりも劣ることが明らかになった。そこで、非相溶アロイの状態でモルフォロジーを制御する検討として、相溶化剤を使用せずに、第5章ではPP粘度を、第6章ではPET粘度を変化させた場合の挙動を検証した。水分バリア性は、PP粘度およびPET粘度のいずれにも依存することなく、どの粘度においても優れた水分バリア性が確保できることがわかった。これはPETリッチの混合比の場合はいずれの粘度においても、ドメインであるPPが細長い層状を呈する迷路効果のモルフォロジーが形成されたことに起因すると考えられる。機械特性については、PET:PP=5:5の混合比において、PPでは高粘度材を、PETでは低粘度材を使用した場合に向上効果が認められた。PPでは低粘度材よりも高粘度材を、PETでは高粘度材よりも低粘度材を使用することで、PPの分散が小さく層状のモルフォロジーを形成されていたためと思われる。ℓ-メントール非吸着性においても、PET:PP=5:5の混合比の場合に、PPでは高粘度材、PETでは低粘度材を用いた場合に向上効果が認められた。\PET/PPポリマーアロイにおいて、「固有粘度≦0.72」のPETと、「固有粘度≧1.4」のPPを選択してPET:PP=5:5でブレンドすれば、ℓ-メントールの非吸着性と水分バリア性が両立でき、なおかつ耐衝撃性に優れる点眼容器を達成できることが明らかになった。第7章では、スクイズ力を定量化する試みとして、筋電図計を用いて腕の筋肉を測定する方法を検討した。短橈側手根伸筋及び橈側手根屈筋を被験筋として、%MVCにより数値化すれば、人間が実際に感じている負担を有体に表すことができた。第8章では、第2章から第6章で、ℓ-メントール非吸着性、水分バリア性および機械特性(衝撃強度)の全てを満足することができた点眼容器を、第7章で検討した「筋電図を用いた点眼スクイズ力の測定方法」を用いて検証した結果、既存の点眼容器で使用されている、Neat PET材やNeat PP材のスクイズ性の範囲を逸脱することなく、良好な使用性を維持できることがわかった。 |
Databáze: |
OpenAIRE |
Externí odkaz: |
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