Reaction of Cupric Phthalate with Toluene

Autor: Hikotada Tsuboi, Shuya Fujii
Rok vydání: 1969
Předmět:
Zdroj: The Journal of the Society of Chemical Industry, Japan. 72:2405-2412
ISSN: 2185-0860
0023-2734
Popis: フタル酸銅のトルエン中での熱分解反応について,溶媒(トルエン)との反応生成物に注目して検討を行ない,よく知られている安息香酸銅の反応と比較した。反応にはフタル酸銅を直接用いる方法と,酸化第二銅と無水フタル酸を用いる方法の2種類を試みた。いずれの反応においても生成物としては目的とする溶媒との反応により生成する安息香酸トリル,銅塩単独の熱分解により生成する安息香酸フェニルおよび比較的多量の安息香酸が得られた。安息香酸トリルの最高収率を比較すると,前者の反応では8.0mol%(280℃,3hr,トルエン/フタル酸銅=24,モル比)であり,後者では18.3mol%(270℃,7hr,トルエン/無水フタル酸=20,モル比)であった。さらに,安息香酸フェニルの生成は,後者における方が前者の反応より著しく少なかった。エステル生成比(安息香酸トリル/安息香酸フェニル,モル比)は,いずれの反応においても,低温,短時間で溶媒量の多いほど高い値を示し,これらの条件で溶媒との反応が起り易いことが明らかになった。また,両反応を比較すると,後者の反応が前者より高い生成比を示し,安息香酸トリルの収率も高かった。これらの結果を安息香酸銅の反応と比較すると,フタル酸銅の反応は非常に高いエステル生成比を示しており,溶媒との反応に著しく高い選択性をもっている点が大さな特徴であることが明らかになった。
Databáze: OpenAIRE